子どもの問題・考え方
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子どもの問題・考え方
●よく見られる子どもの問題について、見方と考え方をまとめてみました。
●子育てをするときの基本知識として、ご利用くださればうれしく思います。

(本文より)

●恐怖症

【A】ものごとに強い恐れをもつことを恐怖症といいます。以前「学校の花子さん」という映画が
はやったとき、「小学校へ行きたくない」と言う幼稚園児が続出しましたが、それもその一つで
す。この恐怖症は何に対して恐怖心をいだくかによって分けて考えます。

・対人(集団)恐怖症

 幼児の場合、新しい人の出会いや新しい環境に対して、ある程度の警戒心をもつことは、
むしろ正常な反応とみます。これに対して思考力に欠ける子どもほど、周囲に対して無警戒、
無頓着で、初めて行ったような場所でも、わがもの顔に騒いだりします。

 が、その警戒心が一定の限度をこえ、精神的、身体的な影響を与えることを、対人恐怖症
といいます。人前に出ると体が緊張状態になり、声が出なくなる(失語症)、顔が赤くなる(赤
面症)、冷や汗をかく、幼稚園や学校が恐くて行けない(不登校)などがあります。

・場面恐怖症

 その場面になると極度の緊張状態になることをいいますが、エレベーターに乗れない(閉所
恐怖症)、鉄棒にのぼれない(高所恐怖症)などがあります。筆者も子どものころ、暗いトイレ
で用をたすことができませんでした。今でも、そのころの原体験がもとになっているのか、暗
いトイレに入ると、ゾッとした恐怖感に襲われることがあります。

・そのほかの恐怖症

 動物や虫をこわがる動物恐怖症、手の汚れやにおいを気にする疑惑症など。ペットの死を
きっかけに、死を極端にこわがるようになった子どももいます。

【C】子ども自身ではコントロールできないとき恐怖症といいますが、そのため叱ったり無理を
しても意味がありません。子どもの視点で、また子どもの立場で、ものを考えるようにします。
強引な誘導や強引な押しつけはタブーです。

 神経症との区別がつきにくく、神経症と同じレベルで対処します。



●分離不安

【A】親の姿が見えなくなると、混乱して泣き叫ぶタイプ(分離不安症)と、一人で行動ができな
いタイプ(孤立恐怖症)に分けて考えます。さらに大声をあげて泣き叫ぶタイプ(プラス型)と、
思考そのものが混乱状態になり、オドオドとするタイプ(マイナス型)に分けて考えます。

 ただ症状が、いつも同じように出るかというと、そういうことはなく、子ども自身が絶対的な安
心感を覚えているようなときには、出ません。

【C】分離不安症の子どもをみていくと、必ずといってよいほど、そのきっかけとなった事件が
過去にあるのがわかります。はげしい家庭内騒動、離婚騒動など。母親が病気で入院したこ
とがきっかけで分離不安になった子どももいましたし、置き去りや迷子を経験して、分離不安
症になった子どももいます。育児拒否、虐待、下の子どもの出産などがきっかけとなることも
あります。

 原因は「捨てられるのではないか」という被害妄想です。あるいはすべてを悪いほうに考え
てしまい、その妄想の中で混乱状態になるためです。子ども自身の無意識下で起こる現象で
すから、そのため叱っても意味がありません。かえって症状をこじらせます。中に、「うちの子
どもは集団生活に慣れていないためだ」とか、「どうせ子どものことではないか」と安易に考え
て、無理をする人がいますが、こうした無理は一時的に症状を抑えることはできても、心の傷
を大きくしてしまいます。このタイプの子どもを、冷たく突き放すのは、タブー中のタブーです。

 子どもの心を慎重に見きわめながら、とにかく無理をしないようにその時期を過ごします。
四〜五歳をピークとして、以後症状は急速に収まってきます。ただ分離不安だけは一生続く
ことが多く、ある母親は、「今でも主人の帰宅が遅くなるだけで、言いようのない不安感に襲
われる」と話してくれました。

★つづきは、本文で

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