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子育てFORUM by はやし浩司
●専門的な立場から、子育てのもつ問題点に切り込んでみました。
●ふつうの子育て論(?)にあきたら、ぜひ、このコーナーを開いてみてください。

(本文より)
【特集・キレる子ども】

●キレる子ども 

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キレる子どもについては、たびたび、
取りあげてきた。

その「キレる」という行為だが、通常の
「激怒」とは、いくつかの点で、異なる。

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 子どもでも怒る。激怒することはある。しかし「キレる」という行為とは、明確に、区別される。「キレる」という行為には、つぎのような特徴がある。

(1)突発的に錯乱状態になる。
(2)暴力行為に、見境がなくなる。
(3)脳の抑制命令が、欠落する。
(4)瞬間、別人のような鋭い目つきになる。
(5)キレる理由そのものが、明確ではない。

 順に考えてみる。

(1)突発的に錯乱状態になる。

 キレる子どもの特徴は、突発的に錯乱状態になること。その少し前から、ピリピリとした緊張状態がつづくことがあるが、暴れ出すときは、突発的である。瞬間、人格の変化を感じたと思ったとたん、「コノヤロー」と金切り声をあげて、相手に飛びかかっていったりする。

(2)暴力行為に、見境がなくなる。

 キレる子どものする暴力には、見境がない。ふつうの暴力には、(手かげん)というものがあ
る。しかしキレる子どものする暴力には、その(手かげん)がない。全力をこめて、相手を殴っ
たり、蹴ったりする。

(3)脳の抑制命令が、欠落する。

 言動が、まるでカミソリでものをスパスパと切ったようになる。動きが直線的になり、なめらかさが消える。脳の抑制命令が欠落したような状態になる。当然、言葉もはげしいものになる。

(4)瞬間、別人のような鋭い目つきになる。

 その瞬間、子どもの顔を観察すると、顔色は青ざめ、目つきが別人のように鋭く、冷めたものになっているのがわかる。憎しみや怒りを表現しながら相手に殴りかかるというよりは、無表情のまま。ときに、そのあまりにもすごんだ顔を見て、ゾッとすることさえある。

(5)キレる理由そのものが、明確ではない。

 キレるとき、その理由が、よくわからない。A君(小3男児)は、順番を待って並んでいるとき、突然、キレて暴れ出した。近くにあった机や椅子を、ギャーッという叫び声とともに、手当たり次第、足で蹴って倒した。

 B子さん(小5女児)は、私が「こんにちは」と声をかけて肩をたたいたその瞬間、突然、キレ
た。私に向かって、「このヘンタイ野郎!」と言って、私の腹に足蹴りを入れてきた。ものすごい足蹴りである。私は、その場で、息もできなくなり、しばらくうずくまってしまった。

 C君(小4男児)は、問題を解いているとき、私がそれを手助けしてやろうと声をかけたとた
ん、キレた。「テメエ、ウッセー!」と叫んで、そばにあったワークブックで、私の頭を、つづけざまに、狂ったように叩きつづけた。

 こういうケースのばあい、私ができることと言えば、男児のばあいは、抱きかかえ、子どもを
抑えることでしかない。しかし相手が女児のばあいだと、それもできない。両手でまるく、自分
の頭をおおうことでしかない。子どもの世界では、おとなの私のほうが、やり返すなどというの
は、タブー。(当然だが……。)

 こうした子どもを観察してみると、先にも書いたように、脳の抑制命令そのものが、欠落した
ような状態になっていることがわかる。脳の機能そのものが、異常に亢進し、狂ったような状態になる。

 原因のほとんどは、慢性的なストレス、日常的な緊張感、抑圧感の蓄積と考えてよい。それ
が脳間伝達物質の過剰分泌を促し、瞬間的に脳の機能が異常に亢進するためと考えられる。

 さらにその原因はといえば、脳の微細障害説などもあるが、家庭環境も、大きく作用していることは否定できない。

 子どもがこういう症状を示したら、親は、家庭環境を猛省しなければならない。が、こういう子どもにかぎって、親の前では、むしろ静かでいい子ぶっていることが多い。つまりそのはけ口を、弱い人や、やさしい人に向ける。

 だからたいていのばあい、私がそれを指摘しても、親は、その深刻さを理解しようとする前
に、子どもを叱ったり、さらに子どもを抑えつけようとしたりする。これがますます症状をこじら
せる。あとは、この悪循環。最後は、行き着くところまで行く。それまで気がつかない。

 対処法としては、過剰行動児に準ずる。

★つづきは、本文で

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